チーズ

【完全解説】ナチュラルチーズの作り方

悩む人

普段何気なく食べてるけど、チーズってどうやって作っているんだろう?

こんな疑問にお答えします。

チーズは味噌や日本酒と同じ「発酵食品」のひとつで、乳酸菌や酵素の働きによって牛乳中の固形分を取り出したものです。

けいすけ

「丹波チーズ工房」6年目の私がお伝えします。とっても不思議で面白いチーズの作り方を、少しでも感じていただけたら嬉しいです!

チーズの種類によって、作り方に多少の違いはありますが、基本的な製造原理は同じです。今回はゴーダチーズを例に解説していきます。

チーズは固形分のかたまり

チーズは牛乳中の固形分(主にたんぱく質や乳脂肪)が固まったもので、1000mlの牛乳から約100gしか取れません。

けいすけ

この「固形分を取り出す」というところに、乳酸菌や酵素による化学変化の作用がはたらいているのです!
つぎから詳しく見ていきましょう↓

生乳の殺菌

63℃30分や75℃1分で低温殺菌をします。

飲用乳でよく行われている120℃2秒の超高温殺菌では、タンパク質やカルシウムの形が変化してしまい、チーズとしての歩留まり(製品率)が悪くなるので、チーズ作りには適しません。

乳酸菌・凝乳酵素添加

殺菌後、約30℃まで冷却し、乳酸菌(スターター)を添加します。

実はココが大事なところ!
目には見えないのですが、乳酸菌の働きにより、牛乳中のたんぱく質の形が変化し、「固形分のかたまり」を作る準備を始めているのです。

温度は30℃を維持し、乳酸菌が働き始めて約1時間後、凝乳酵素(レンネット)を添加し、液体の牛乳を固めます。

けいすけ

ココもめっちゃポイント!レンネットは簡単に言うと、「豆乳ににがりを入れて豆腐を作る」という工程のにがりみたいなもの。詳しくはまた別記事で。

カッティング

約30分後、下の写真のように固まった牛乳を「カードナイフ」という専用器具でサイコロ状にカットしていきます。
専門用語で、固まった牛乳のことを「カード」と呼びます。

カット後は優しく撹拌し、カードからホエー(牛乳中の水分)を取り出します。最終的にカードの大きさは小豆粒くらいになります。

型詰め

専用の型にカードを詰め、重石をして形を整えます。

scoob_switzerlandによるPixabayからの画像

熟成

食塩水に浸して味付けをしたら、温度と湿度を保った熟成庫に移し、美味しく熟成できたところで完成です!

けいすけ

ゴーダチーズは早ければ3ヶ月ほどで完成ですが、当工房では12ヶ月以上熟成させて、格別のうまみと香りを味わっています。熟成ってすごいですよ!

まとめ

チーズの作り方、少しわかっていただけたでしょうか?

ポイントは乳酸菌による「発酵」がカギとなっているということです。

プロセスチーズというのは、このナチュラルチーズを原料にさらに加工したものなんですが、詳しくはまた別の機会に。

何か質問がありましたら、お問い合わせフォームより気軽に質問いただけると嬉しいです。一緒に日本の酪農文化・ナチュラルチーズ文化を盛り上げていきましょう!

以上です。